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KEIKO TEA - ヨーロッパで見つけたオーガニック緑茶 -


 第三回目の企業取材は、ドイツで行われた世界最大のオーガニック見本市「BioFach2005」から、鹿児島茶を扱うドイツの会社「KEIKO  SHIMODOZONO INTERNATIONAL GMBH」 をご紹介します。

ヨーロッパでは、緑茶に含まれている成分が健康によいこと、とりわけ日本の緑茶はその味わい深い香りから、人気が高いとのこと。そのためBioFachにも、いくつかの日本茶を扱っている会社が出展していました。その中でひときわ目を引いたのが「KEIKO」teaでした。

 

大きく書かれた「KEIKO」の看板もさることながら、陳列された多くの急須もとても色あざやかで、行き交う人たちも思わず立ち止まりたくなるブースです。それがドイツ国内の出展社が集まるホールにあるからまた興味深い。私たちは迷わずこのドイツで出会った日本人女性の名前を持つ日本茶ブースにインタビューをお願いすることにしました。応じて下さったのは、「KEIKO」Teaのオーナー「マルクス・ハステンプフルク」さん。日本茶との出会いや「KEIKO」teaのことなどを伺ってきました。

 

<日本茶との出会い>

マルクスさんと日本茶との出会いは学生時代に遡る。

16歳ごろにGreenTeaについての本を読み、紅茶との違いや自然・歴史について学んだのをきっかけに、若いころから日本茶をよく飲んでいたとのこと。さらに当時は、ハーブティーをはじめいろいろなお茶が飲める喫茶店(TEA BAR)に行くのも流行っていたらしく、例えば夜勉強で起きているとき、親の世代はコーヒーを飲んでいたが、若い人たちはTEA BARによく行っていたそうだ。

*ドイツ語ではTea Barではなく、Tee Laden(テー ラーデン)というそうです

その後マルクスさんは、学校で農業学の修士号を取得、Natural Foodを取り扱っているAllos(アロス)に入社した。そして、1991年ケルンで行われた世界食品メッセに出張で訪れ、そこで日本から出展していた下堂園(しもどぞの)氏の鹿児島茶に出会うのである。そのときのことを、マルクスさんはこう振り返る。

「日本茶の色がとても綺麗なことに驚いたんです。当時、ドイツで飲んでいた黄色っぽかったのに、下堂園氏のお茶は綺麗な緑色だった。それで、どうしてそんなに色が綺麗なのかを聞いてみたんです 」

聞けばとにかく「新鮮」であるとのこと。それまでのドイツの緑茶はクオリティも低かった上に、Freshではなかったのである。また、ヨーロッパの中でもドイツは硬水。水道から出る硬水を使ってお茶を入れたのでは、緑茶本来の風合いが十分に楽しめない。そこで、軟水のミネラルウォーターを用いて丁寧にお茶を入れていたのである。興味を抱いたマルクスさんは、見本市の約10日後に下堂園氏から送ってもらったサンプルを手に、早速Allosのマネージャーに Allosで取り扱えないかと提案した。そして翌年からAllosで鹿児島茶の輸入販売が始まったのである。

* BioFach2005 のAllosのブース。
Allosはオーガニック製品だけを扱う、ドイツのパイオニア的な会社です

<KEIKO誕生>

ドイツでの有機農産物の認定も得て、1992年にBio Fachに初めて出展。そして、マルクスさんがそうだったように、多くのドイツの人たちが初めてみる綺麗な緑色をした日本茶に驚いた。その後、緑茶の人気はどんどん高まり、ドイツにおける緑茶の輸入量は日本と中国を含め、1992年には105t だったのが、翌年1993年には約2倍の204tになり、1996年には1000t を超え、2000年には約6000t にまでになった。

1996年にマルクスさんが独立。下堂園氏と共同で下堂園インターナショナルを設立した。ブランド名も「KEIKO」に改めた。

「名前は下堂園氏の奥様の恵子さんから頂いたのですが、「KEIKO」という響きが「SEIKO」にも似ていてヨーロッパ人の耳にとても「日本的」であったことと、また「恵子」の「恵む」という意味にも魅かれたんです」

ドイツはとても健康意識が高く、最初は「KEIKO」teaも、「健康茶」としてHealthy志向の人たちに好んで飲まれていた。さらに、1999年にドイツの商品テスト機構が日本や中国から輸入されている緑茶の農薬(殺虫剤も含めた全ての農薬)をチェックした際に、大半の緑茶に農薬が確認された中「KEIKO」teaは検出されず、これにより「KEIKO」teaの評価はますます高まったのである。

日本で有機認定商品には「有機JASマーク」が張られるように、ドイツの有機食品には「BIOマーク」が貼られている。そのマークがドイツで施行されたときに、国の認定機関が初めてBIOマークを貼った緑茶は「KEIKO」teaだった。それほどドイツの「KEIKO」teaの評価・人気は高く、ドイツのハンブルクで行われた「Tea & CoffeeWorld Cup Exhibition」で、2003年にはGOLD MEDALを受賞したほどである。

「KEIKO」ブランドの商品は抹茶や煎茶などのお茶に加え、キャンディやお茶のお菓子などがあり、これらはオーガニックのお店やカタログなどで販売されている。 ブースに綺麗に陳列された急須も愛知県などから輸入して取り扱っているとのこと。

「 今、急須で飲むことを提案しているんです。欧米の大きなティーポットで日本茶を飲むと本来の美味しさが味わえないんですよね。 」

健康茶として高い評価を得ながらも、基本はやはり美味しさ。これも「KEIKO」teaの人気の理由なのだろう。


<取材後記>

現在「KEIKO」はドイツ国内だけでなく、フランス、イタリア、オーストリア、スウェーデン、イギリス、スペイン、そしてカナダでも買うことができるそうです。残念ながら日本では販売していないそうですが、遠い異国の地で日本のお茶がオーガニック茶として大きな地位を確立しているのはとても嬉しく、これからもKEIKOを応援していきたいです。



リンク
KEIKO SHIMODOZONO INTERNATIONAL GMBH
http://www.shimodozono.de/ (ドイツ語のみ)

株式会社下堂園
http://www.shimo.co.jp/

取材した人:金沢玲美、犬飼俊介
■取材された人:マルクス・ハステンプフルク氏
■通訳・協力:Keiko Asano-Leckebuschさん
on 2005年3月 1日 in お知らせ・最新情報