LOHAS WORLD

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自分の声が作り手に伝わる「いいものプロジェクト」 --- 有限会社良品工房 ---

みなさんが普段食品を買うときに、選ぶポイントって何でしょうか?
買う場所?有機JASマーク?それとも友人のオススメ?

今回ご紹介したいのは、消費者が実際に台所で使って「これなら買いたい」とえらんだ商品の目印「いいもの」シール。有限会社良品工房の「いいものプロジェクト」によるもので、モニターが実際に家庭の台所で使用してみて、その7割以上が「これなら買いたい!」と支持した商品を「みんなが えらんだいいもの」に認定し、「いいもの」シールが貼られるというものです。認定期間は1年。翌年も認定されるとシールの☆が増えていき、見事5年目になると「5年間連続!」と書かれた金色のラベルになります。こんな素敵なプロジェクトをもっと詳しく知りたくて、良品工房の白田典子さんにインタビューしてきました。白田さんは「いつも笑顔の人」という言葉がぴったり!インタビュー中も終始笑いが耐えませんでした。

「正解は持たない」

「基準は何ですか?」モニターの7割以上が支持した商品の「支持」の基準はどこなのでしょうか。例えば添加物を使用していないとか、オーガニックであるとか。けれども白田さんの答えは「正解は持たない」でした。それは、価値は日々変化するもので、作り手がこだわった点が必ずしも生活者の欲しいものとは限らないからです。完全オーガニックで安心なものと、使いやすい商品は違うかもしれない。結局は美味しくなければ食べないかもしれない。あまりに高すぎたら毎日の食卓にはのらないかもしれない。いいものプロジェクトで商品を選ぶのは認証団体の専門家ではなく、主婦を中心とするモニター登録した人たち。その方々たちの判断基準はひとつの正解では決められないのです。

「あえて言うならば「家族のために食べさせたい基準」だと思う。その基準が実は一番シビアかもしれない。しかも選ぶ理由はワインのとき、醤油のとき、お菓子のときでは全然違う!!値段なのか、味なのか、使い勝手なのか。この買い手の目線が"いいもの"の基準になっているのね」

「ビルの中では、人は"生活者"でなくなる」

短大卒業後、大手広告代理店でマーケティングに携わっていた白田さん。結婚して子供が生まれた後10年間は専業主婦をなさっていましたが、実際に主婦になって商品開発と生活者には大きなギャップがあることに驚かされたそう。

「専業主婦になって気づいたことはたくさんあった。一番ショックだったのは、自分がマーケティング会社で開発に携わった商品をスーパーでみつけたとき自分で買わなかったこと。」

一番の収穫は、主婦仲間同士で行う井戸端会議。マーケティング会社時代に多く行ったグループインタビューとは似て非なるものだったといいます。一番違うのは参加している人どうしの距離で、グループインタビューの時はものすごく遠い感じがしたそう。謝礼を払って参加してもらう人は、みんなが初対面同士であるため何だかよそよそしく、本音は中々話してくれなかったからです。いいものプロジェクトでは、まさに"井戸端会議"と題してモニターさんたちとの「本音トーク」が行われています。お題は子供のことだったり、お買い物事情だったりと様々。

「井戸端会議はそれぞれの台所がスケスケなくらいに見えるのに、なぜか会社のビルに入った途端、みんな突然生活者で無くなってしまうのね。」

*見事5年連続!の金色ラベル

「気持ちが伝わるメッセージ」

調査会社と参加者の距離が遠いならば、それを挟んだ「作り手」と「買い手」の距離はもっと遠いはず。いいものプロジェクトでは、モニタリングしてもらう時には、商品に作り手からの商品説明やメッセージをつけています。それだけでもパッケージでは伝わりきらない思いが届き、作り手が身近に感じるそうです。

アンケートに感情が入るのには、実はもう1つの理由が。それはアンケートが「手書き」だということです。もともと「気持ちが伝わるように」と手書きにしたそうですが、手書きにすることで更なる効果がありました。

「例えばイラストを書いてくれたり、参考になりそうなパッケージを一緒に送ってくれたり、これはパソコンからメールで送信するアンケートには無い"愛情"よね。"辛い"も"から~~~~~~い!"って書いてあって、どれだけ辛かったか分かった(笑)」

驚くことに、この意欲的で愛情のあるモニターは有料で、年間6,000円の会費を払っています。(*)昨年の11月から有料にしたそうですが、最初は無料からの切り替えをとても悩んだそう。けれども悩んだ末の決断のおかげで、お金を払ってまで「いいもの」選びに参加したいという真剣かつ意欲的な人たちが集まり、さらに具体的な声が聞けるようになったそうです。取材で訪れた日はちょうど「いいものプロジェクト」の20号が出たばかりで、何度もオフィスや携帯に電話がありました。「読みました!すばらしい!」とわざわざ連絡をくださるなんて、本当にモニターの方たちが愛情をもってプロジェクトに参加しているのだなぁと、とても印象的でした。

*モニターには「Aモニター(有料)」と「Bモニター(無料)」があります。
詳細と登録はこちらから。 http://www.iimono-pro.com/monitor/index.html

「言葉の誤解を解く」 

そもそも「自然」って何?
ジュースは「濃縮還元」より「ストレート果汁」の方がいいの?
全ては「手作り」じゃなくちゃ「安全」じゃないの?

白田さんやモニターの方たちが活動を5年間続けて気付いたのは、「わからないことがあまりにも多い」ということだったそうです。このような疑問を作り手・売り手・買い手のみんなで考えるのが「みんなで考えるページ」です。専門家の説明があったり、アンケートからの回答があったり、メーカーからの答えがあったりと色々な角度から意見を聞くことができます。

興味深かったのは「売り手と買い手の往復書簡」というコーナー。素朴な疑問をお店の人が答えてくれるものでしたが、中には答えにくいであろう質問にもちゃんと答えてくれている、このような「本音」や「誠意」が、さらに売り手と買い手の距離を縮め「よいもの」を作っているのでしょう。

 <取材後記>

最初に「いいもの」シールのお話を伺った時、LOHASと似ている部分を感じました。LOHASもその商品がオーガニックやフェアトレードでなければいけないという厳密な基準よりも、それぞれの生活スタイルに合い、これからも支持していきたいものを購入する、そういうところがLOHASと通じるのではないでしょうか。取材をして、「いいもの」プロジェクトのモニターの方々の意識の高さ、積極性には感銘を受けました。そしてなんと言っても白田さんの人柄に惹かれました。右の写真のように、取材中も本当に笑いが耐えなかったんです。このプロジェクトを良いお見本として、私もLOHASな生産者とメーカーと生活者の距離をもっと近づけ、みんなでより良いLOHASを築いていきたいと思います。

INFO
有限会社良品工房 
住所:東京都杉並区西荻窪3-12-1-603
ウェブサイト http://www.iimono-pro.com
*全国の「いいもの」コーナーがあるお店はこちら:
http://www.iimono-pro.com/iimonoproject/iimonoshop.html
*モニターの詳細と登録はこちらから。:
http://www.iimono-pro.com/monitor/index.html
■取材した人:金沢玲美・千田はるか
■取材された人:白田典子さん