「きっかけは子供の喘息でした。当時5歳の長男が無呼吸状態となり、救急車で病院へ運ばれた時のこと。何とかして助けたい、子供の肌に直接触れるものだから安全で肌に優しい布団を作りたい、だからごまかしがきかないんです。」
17年前、親の経営する工場で抗菌の布団を作っていた山岡氏は、息子さんの喘息を少しでも良くしようと奥様と二人で「子供が安心してよく眠れるような布団」を作る会社を設立した。これが「ハート」の始まりである。
救急車で運ばれた息子さんは、幸い命は取り留めたもののその後アレルギーで苦労されたとのこと。その出来事をきっかけに、アレルギーの子供たちが安心して眠れるような布団を作りたかったのである。たとえばアトピーの子供は痒みがでたりと、よく眠れていない。つまり言い換えれば「眠れるようにすれば、体の免疫が少し変わるのではないか」と考えたのである。
こうして、眠れる工夫を施した布団を作り始めたハートだったが、問題はどこでその布団を売ればいいのかということだった。当時は高級羽毛布団か中国産の安いものが主流のとき。一般のお店でも自然派のお店でさえも肌にやさしい綿の布団を扱っていなかったのである。アトピーや喘息で困っている人たちは肌にやさしい布団はどこで買えばいいのだろうか、そう疑問に思いながら、布団を入れたトランクを担いで全国の自然食品を扱うお店をまわり、熱心に布団の良さ・大切さを説明していた。
「始めて栃木で布団が売れたとき、その社長さんがこうおっしゃいました。「布団のことはあまり良くわからないけれど、一生懸命やっている姿がわかったから買います」その言葉がとてもうれしかったんです。」
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